こんにちは。三木真紀です。
高崎演能の会のプレ講座で高崎芸術劇場に行ってきました。
能の舞台を観るのはまだ数回なのですが、毎回、黒の奥深さに魅せられます。
以前から能や雅楽に興味があって、ここ数年はできるだけ足を運ぶようにしています。
これまでは『観て感じること』を楽しんでいましたが、歴史や物語に触れてから観ると感じ方も変わりますね。
詞章を音読しながら解説してくださるのですが、どのような心持で演じているのか?など、演者としての視点も垣間見ることができるのも楽しいです。
言葉一つとっても意味や解釈によって歌い方を変えたり、ちょっとした裏話にユーモアを交えてお話くださったり。
お能はむずかしい、という印象だったのが、身近に感じられるようになることもあって、それがプレ講座に行く楽しみになっています。
『陽と陰』、『動と静』。
日本は小さな島国で、独自の風習や文化を育んできた國だと感じます。
能や雅楽も、どこか閉鎖的で陰鬱とも言える要素が深みとなり、人はその深みに自分を見るようで惹かれるのだと思います。
それだけだと苦しいばかりで生きにくいので、洒落を効かせたりしてバランスをとっている。
プレ講座ではそんなお話もされていました。
能の舞を見ていると『余韻』が印象に残ります。
ひとつの動きから次の動きに移る際に、ほんの少し気持ちを残すような仕草を感じるのです。
指先の一滴、目尻に残した視線の影、静かに後ずさりしそうな背中。
欧米や欧州でも美しい立ち居振る舞いというのはありますが、効率的な動きの中に美しさがあるといった印象なのです。
一筋の余韻を残すような間合いの取り方は、日本人ならでの美意識なのだと感じます。
限られた領土の日本という島国で営みを重ね、謙虚とも陰湿とも言える国民性を背景とした歴史的なルーツからくるものかもしれません。
そうやって思考を手繰り寄せているうちに、日本人に黒が似合う人が多いのは、そうしたルーツを持った民族だからなのかもしれない、と思い至りました。
この日は夏のブラックコーデで出かけました。
黒は重さと華やかさを併せ持つ色なので、お能の観劇にも合うと思ったのです。
透け感のある素材のワンピースに黒のストールとブラックオニキスのピアスを合わせました。
足元はスエードのカラーパンプスで程よくカジュアルに。
お能のプレ講座ということもあり、グレージュのバックを効かせてシックにまとめました。
具体的な場所や目的を考えてコーディネートすると、格段にコーディネート力がアップします。
ファッションWEB講座では、そうしたことも学んでいただけます。