こんにちは。三木真紀です。
音楽もファッションも楽しみ方を知ることで、人生の豊かさが深まります。
数年ぶりに金子三勇士さんのピアノリサイタルに行ってきました。
場所は富岡市にあるかぶら文化ホールです。
クラシックのコンサートには珍しく、金子氏自らマイクを握って曲の解説をされていました。
が、私は「いらん!」と思いました。笑
コンサートに限らず、劇場やホールという空間全体を楽しみたいのです。
曲の構成やアーティストの衣装などの演出も含めて、その場に身を置いた時に感じる感覚を味わいたいのです。
それが、1曲ずつ解説がはいる度にその感覚が途切れます…。
ですが、途中から「あぁ、教育をしたいのだな」と思い至りました。
作曲家の生い立ちや曲が生まれた歴史的な背景を解説すると同時に、拍手のタイミングやコンサートの盛り上がりどころもユーモアを交えてお話されていました。
ご本人曰く、話すことが好きということもあるのだと思いますが、クラシック音楽やコンサートを楽しむための心得を伝えたいのだと感じました。
きっと、ここ数年、小さなホールでのコンサートや、学校に出向いてイベントを行う活動をされているのも同じ意図なのだと思います。
同じコンサートに行くのでも、楽しみ方を知っているのといないのとでは感じ方が大きく異なります。
楽しみ方を知らないからコンサートに行かない、もしくは行けない人が増えると、業界の発展がむずかしくなります。
かと言って、間口を広げるために足を運ぶハードルを下げれば、一時的に来る人は増えても質が下がります。
楽しみ方を知らない人が増えるからです。
すると、良いお客様が離れてしまいます。
「良いお客様」というのは、アーティストにリスペクトがあり、劇場に足を運ぶことに価値を感じている人たちです。
自分たちも演出の一部だというプライドを持ち、その場にふさわしい装いでエレガントに振る舞う人たちです。
そうした人たちが増えれば、業界のクオリティも上がり、アーティストの評価もあがります。
金子氏が解説をしたり、拍手を促すジェスチャーをしたりするのは、クラシック界の発展のために、音楽の楽しみ方を知っている良い観客を増やすためだと感じました。
これはファッションも同じです。
楽しみ方どころか、基本的なことも知らずに適当に選んでいる人がとても多いと感じます。
大量に作られた服を、よくわからないまま適当に買う。
価値がわからないから、安いから買う、とりあえず買う。
こんなふうに、適当に選んだ服で日々を過ごすと自己概念が下がります。
日本人は自信が持てない人が多いですが、そもそも基本的な楽しみ方を知らないのです。
音楽もファッションも楽しみ方を知ることから豊かさがはじまります。
人が作った常識や流行にまどわされない、自分らしい楽しみ方を見つけていきたいですね!